尹錫悦大統領弾劾審判決定文全文(2) + 言及された法条文
*本文で言及された法律条文を下に載せています。
4. 弾劾の要件
A. 職務執行において憲法や法律違反憲法は弾劾訴追事由を「憲法や法律を違反した時」と明示し、憲法裁判所に弾劾審判を管掌させることで、弾劾手続きを政治的審判手続きではなく規範的審判手続きと規定している。 弾劾制度は、誰も法の上にいないという法の支配原理を具現し、憲法を守護するための制度である。 国民によって直接選出された大統領を罷免する場合、相当な政治的混乱が発生する可能性があるが、これは国家共同体が自由民主的基本秩序を守るためにやむを得ず支払わなければならない民主主義の費用である(憲法裁2017.3.10. 2016憲ナ1参照)。
憲法第65条は大統領が「その職務執行において憲法や法律に違反した時」を弾劾事由と規定している。 ここで「職務」とは法制上の所管職務に属する固有業務と社会通念上これと関連した業務を言い、法令に基づいた行為だけでなく大統領の地位で国政遂行と関連して行うすべての行為を包括する概念である。 また、「憲法」には明文の憲法規定だけでなく、憲法裁判所の決定によって形成され確立された不文憲法も含まれ、「法律」には形式的意味の法律とこれと同等の効力を持つ国際条約及び一般的に承認された国際法規などが含まれる(憲法裁2004.5.14. 2004憲ナ1; 憲法裁2017.3.10. 2016憲ナ1参照)。
B. 憲法や法律違反の重大性
憲法裁判所法第53条第1項は「弾劾審判請求が理由のある場合」被請求人を罷免する決定を宣告するよう規定している。 しかし、大統領に対する罷免決定は、国民が選挙を通じて大統領に与えた民主的正当性を任期中に剥奪することであり、国政空白と政治的混乱など国家的に大きな損失をもたらしかねないため、慎重に行われなければならない。 したがって、大統領を弾劾するためには、大統領の法違反行為が憲法秩序に及ぼす否定的な影響と害悪が重大であり、大統領を罷免することによって得られる憲法守護の利益が、大統領罷免による国家的損失を圧倒するほど大きくなければならない。 すなわち、「弾劾審判請求が理由のある場合」とは、大統領の罷免を正当化できるほど重大な憲法や法律違反があるときを言う(憲法裁2017.3.10. 2016憲ナ1参照)。
C. 判断順序
以下では、被請求人がその職務を執行しながら憲法や法律を違反したかどうかについて、(1)この事件の戒厳宣布、(2)国会への軍警投入、(3)この事件の布告令の発令、(4)中央選管委に対する押収·捜索、(5)法曹人に対する位置確認の順で判断する。
一方、請求人はこの事件の弾劾審判請求以後に提出した書面で「被請求人が2024.12.4.出勤する中央選管委の職員に対する逮捕·拘禁計画を用意し、これを指示した行為」も訴追事由として主張している。 国会が弾劾審判を請求した後、別途の議決手続きなしに訴追事由を追加したり、既存の訴追事由と同一性が認められない程度に訴追事由を変更することは許されないことは、先に見たようであり(憲法裁2017.3.10. 2016憲ナ1; 憲法裁2025.1.23. 2024憲ナ1参照)、中央選管委の職員に対する逮捕·拘禁関連指示は、この事件の訴追議決書に記載されていない新しい事実であるため、判断の対象としない。
5. この事件の戒厳宣布に関する判断
A. 認定事実
(1) 被請求人は2024.12.3.20:55頃、大統領室で国務総理の韓悳洙(ハン·ドクス)に戒厳を宣布すると話した。 韓悳洙は被請求人に他の国務委員の話も聞いてみるようにと言い、被請求人は国務委員を集めてみるように言った。 これに対し付属室ですでに大統領室にいた国防部長官の金龍顕(キム·ヨンヒョン)、統一部長官の金暎浩(キム·ヨンホ)、外交部長官の趙兌烈(チョ·テヨル)、法務部長官の朴性載(パク·ソンジェ)、行政安全部長官の李祥敏(イ·サンミン)以外の国務委員たちに連絡を取った。但し、大統領室に入ってこいと言っただけで、国務会議を開催すると連絡したわけではなく、文化体育観光部長官の柳仁村(ユ·インチョン)、環境部長官の金琓燮(キム·ワンソプ)、雇用労働部長官の金文洙(キム·ムンス)、国家報勲部長官の姜貞愛(カン·ジョンエ)は連絡を受けなかった。
(2) 連絡を受けた国務委員らが一人ずつ大接見屋に到着し、被請求人が非常戒厳を宣布しようとしているという事実を聞いてお互いに意見を交わし、その中の一部は執務室に入って被請求人に反対意思を明らかにしたりもした。 中小ベンチャー企業部長官の吳姈姝(オ·ヨンジュ)が最後に到着したことで、同日22:17頃、国務総理および国務委員9人が集まることになった。 その頃、被請求人が執務室から大接見室に出て戒厳宣布の趣旨を簡略に説明した後、同日22:22頃、この事件の戒厳を宣布するために大接見室を出た。吳姈姝が最後に到着し、被請求人がこの事件の戒厳を宣布するために大接見室から出るまでにかかった時間は5分程度に過ぎず、開議宣布・議案上程・提案説明・討議・散会宣布・会議録作成がなかった。 被請求人は戒厳の必要性、施行日時、戒厳司令官などこの事件戒厳の具体的な内容を説明せず、出席した国務総理及び国務委員らにこの事件の戒厳宣布に関して意見を述べる機会を付与せず、会議で非常戒厳宣布の実体的要件の具備有無などに関して実質的な検討と議論がなされなかった。 国務総理と関係国務委員がこの事件の戒厳宣布と関連した文書に部署することもなかった。
(3) 被請求人は2024.12.3.22:23頃、大統領室で第1次国民向け談話を始め、22:27頃この事件の戒厳を宣布した。第1次国民向け談話の内容は「別紙3」の通りである。
(4) 被請求人はこの事件の戒厳を宣布した後、国会に通告しなかった。
(5) 被請求人は2024.12.3.22:30頃、国防部長官の金龍顕を通じて陸軍参謀総長の朴安洙を戒厳司令官に任命した。
(6) 2024.12.4.01:02頃、国会で非常戒厳解除要求決議案が可決された。被請求人は2024.12.4.04:20頃、大統領室でこの事件の戒厳を解除するという内容の国民向け談話を発表し、同日04:29頃国務会議でこの事件の戒厳解除案が議決された。
B. 判断
(1) 非常戒厳宣布の実体的要件違反の有無
(a) 非常戒厳宣布の実体的要件
1) 戦争や内乱、経済恐慌などのような非常事態が勃発し、国家の存立や憲法秩序の維持が危うくなった時には、正常な状態で機能するように設計された国家権力の行使方式では対処しにくい。したがって、上記のような非常事態が発生した場合には、国家を保全し憲法秩序を維持するために非常的手段を発動できる権限、すなわち国家緊急権を認める必要がある。しかし、国家緊急権を認めることになれば、権力が一つの国家機関に集中し、国家権力の乱用を防止するために設けられた各種統制装置が作動できなくなり、むしろ憲法的価値と国民の基本権が侵害される危険がある。これに対し、我が国の憲法は国家緊急権を大統領の権限と規定しながらも、国家緊急権の内容、効力、限界及びそれに対する統制手段を明確にすることで、その乱用と悪用を防ぎ、国家緊急権が憲法保護の非常手段として機能するよう担保している(憲法裁1994.6.30. 92憲ガ18; 憲法裁1996.2.29. 93憲マ186参照)。
2) 憲法第77条第1項は戒厳宣布の実体的要件として「戦時·事変又はこれに準ずる国家非常事態が発生すること」と「兵力として軍事上の必要に応じる又は公共の安寧秩序を維持する必要があること」を要求している。 戒厳法第2条第2項は憲法第77条第1項の委任に基づき、非常戒厳宣布の要件をより厳格に規定しているが、これによると、非常戒厳を宣布するには「戦時·事変又はこれに準ずる国家非常事態」が発生しなければならないだけでなく、「敵と交戦状態にある又は社会秩序が極度に撹乱され、行政及び司法機能の遂行が顕著に困難な状態」も発生しなければならず、その目的が「軍事上の必要に従うか公共の安寧秩序を維持するためのもの」でなければならない。
憲法上の国家緊急権の認定趣旨と上記の関連規定を総合してみると、非常戒厳宣布が憲法及び戒厳法が定めた実体的要件を満たすためには、①戦時·事変又はこれに準ずる国家非常事態で敵と交戦状態にある又は社会秩序が極度に撹乱され、行政及び司法機能の遂行が顕著に困難な状況が現実的に発生しなければならず、②兵力として軍事上の必要に応じる又は公共の安寧秩序を維持する必要がなければならず、 ③非常戒厳宣言の目的が軍事上必要に従う又は公共の安寧秩序を維持するためでなければならない。したがって、非常戒厳は上記のような危機状況が現実的に発生したが、警力だけではこれを収拾できない場合に、兵力として既存の秩序を維持·回復するために宣布することができるもので、危機状況が発生する憂慮があるという理由だけで事前的·予防的に宣布することはできず、公共福利増進のような積極的な目的のために宣布することもできない(憲法裁1996.2.29. 93憲マ186参照)。
(b) 憲法第77条第1項及び戒厳法第2条第2項が定めた危機状況の発生有無
1) 審査基準及び争点
A) 非常戒厳を宣布するには、戦時·事変又はこれに準ずる国家非常事態で敵と交戦状態にある又は社会秩序が極度に撹乱され、行政及び司法機能の遂行が顕著に困難な状況が現実的に発生しなければならないが(憲法第77条第1項及び戒厳法第2条第2項)、これに関しては憲法により戒厳宣布権を付与された被請求人に一定程度の判断裁量が認められると見なければならない。しかし、被請求人に判断裁量を認めるということが客観的に危機状況ではないにもかかわらず、主観的確信さえ存在すれば非常戒厳を宣布できるという意味ではないので、客観的に被請求人の判断を正当化できるほどの危機状況が存在しなければならず、被請求人の判断が顕著に非合理的または恣意的な場合には憲法第77条第1項及び戒厳法第2条第2項を違反したものと見なければならない(憲法裁1996.2.29. 93憲マ186参照)。
B) 「戦時」とは相手国や交戦団体に対して宣戦布告や対敵行為をした時からその相手国や交戦団体と休戦協定が成立した時までの期間を言い、「事変」とは国土を僭窃する又は憲法秩序を乱す目的で蜂起したすべての形態の武装反乱集団の暴動を意味する。前述した憲法上の国家緊急権の認定趣旨と憲法第77条第1項の文言を考慮すると、「戦時·事変に準ずる国家非常事態」とは戦争に該当しない外敵の侵入、国土を僭窃する又は憲法秩序を乱す目的のない武装又は非武装の集団又は群衆による社会秩序撹乱、自然的災難による社会秩序撹乱などにより国家の存立や憲法秩序の維持が危うくなり、平常時における憲法秩序による権力行使方法では対処できない重大な危機状況を言う。
この事件の戒厳令宣布当時、政治状況と社会状況が戦時·事変に該当したり、敵と交戦状態にあったと見ることはできないことは明らかである。被請求人はこの事件の戒厳宣言当時の状況が戦時·事変に準ずる国家非常事態に該当し、社会秩序が極度に撹乱され行政および司法機能の遂行が顕著に困難な状況だったと主張するので、このような被請求人の判断が顕著に非合理的又は恣意的かを調べる。
2) この事件の戒厳宣布事由に関する被請求人の主張に対する判断
被請求人は、野党である共に民主党が多数議席を占めている国会が①多数の高位公職者を弾劾し、又はその弾劾を試みたことで司法業務および行政業務を麻痺させ、②違憲的または国益に反するか、政治的偏向性の高い法案を推進したり、与野党の合意なしに一方的に通過させ、与党が推進する法案に反対し、③2025年度の主要予算を全額削減して国家の本質的な機能を損ない全額削減して国家の本質的機能を損ない、麻薬天国、民生治安恐慌状態にし、安保空白を招き、④大統領退陣・弾劾集会を開き、安保·外交分野などで反国家行為をしたとしながら、このような国会の専横で国政が麻痺し、行政と司法の正常な遂行が不可能な状況になったと主張する。
被請求人はこのような国会の行為により憲法第77条第1項及び戒厳法第2条第2項が定めた危機状況が発生したと主張するので、これに関して調べる。
A) 共に民主党の弾劾訴追推進及び国会の弾劾訴追
被請求人は共に民主党が多数の高位公職者に対して弾劾を試みたり弾劾訴追案を発議することにより司法業務および行政業務を麻痺させたと主張する。
弾劾審判は、高位公職者が権限を乱用して憲法や法律に違反する場合、その権限を剥奪することで憲法秩序を守る憲法裁判である(憲法裁2004.5.14. 2004憲ナ1参照)。前述したように、憲法は弾劾審判手続きを政治的審判手続きではなく規範的審判手続きと規定している(憲法裁2017.3.10. 2016憲ナ1参照)。
ところが弾劾訴追の議決を受けた者は憲法第65条第3項により弾劾審判がある時までその権限行使が自動的に停止されるので、一先ず国会で弾劾訴追が議決されれば憲法裁判所の決定がある時まで少なくとも数ヶ月間の権限行使が停止される。権限代行者等が被訴追者の権限を引き続き行使できるとしても、権限代行という限界により被訴追者の本来の業務をそれと同等の水準で遂行することは現実的に難しく、既存に本人が担当していた業務に加えて被訴追者の業務を共に遂行することになり、業務過重による困難も発生することになる。高位公職者が遂行する業務が国家的に重要だという点を考慮すれば、その権限行使の停止による業務空白は国家と国民に大きな損害を発生させる恐れもある。
にもかかわらず、我が国の憲法が弾劾訴追されれば被訴追者の権限行使が停止するよう規定しているのは、それだけ被訴追者の法違反行為が重大な場合を想定しているためである。したがって、国会が弾劾訴追事由の違憲·違法性について熟慮した後、慎重に弾劾訴追権を行使せず、法違反の疑惑だけに基づいて弾劾審判制度をひたすら政府に対する政治的な圧迫手段として利用することは、弾劾審判制度の本来的趣旨に符合するとは見難い。
被請求人の任期が開始された後からこの事件の戒厳宣布前まで、共に民主党の国会議員たちは行政安全部長官1人、検事12人、放送通信委員会委員長3人及びその職務代行1人、監査院長1人に対して再発議を含む計22件の弾劾訴追案を発議した。これは国会が弾劾訴追事由の違憲·違法性について熟考せず、法違反の疑惑だけに基づいて弾劾審判制度を政府に対する政治的な圧迫手段として利用したという憂慮を生んだ。
但し、この事件の戒厳宣布前の上記の22件の弾劾訴追案のうち6件は撤回され、3件は廃棄された。 5件は本会議で可決され弾劾訴追がなされたが、そのうち3件に対して憲法裁判所はすでに棄却決定を言い渡した状態であった。このように弾劾訴追案がすでに撤回又は廃棄され、又は憲法裁判所の棄却決定が宣告された場合、当初の弾劾訴追案発議又は弾劾訴追議決が同事件戒厳宣布の当時に国家の存立や憲法秩序、社会秩序、行政及び司法機能の遂行に及ぼす影響は制限的である。
また、共に民主党所属の国会議員が弾劾訴追を推進し、又は弾劾訴追案を発議したとしても、実際に弾劾訴追が行われるかどうかは国会の審議·議決結果によって決定されるものであるため、単純に弾劾訴追を推進している又は弾劾訴追案を発議して国会で審査中という理由で重大な危機状況が現実的に発生したとは見難い。
延いて、弾劾訴追が議決され、被訴追者の権限行使が停止されたことで、権限代行者などが被訴追者の権限を弾劾訴追前と同等の水準で行使することを現実的に期待し難かったとしても、それだけで直ちに行政及び司法機能の遂行が著しく困難になったとは認め難い。特にこの事件の戒厳宣布の当時には検事1人および放送通信委員会委員長に対する弾劾審判手続きだけが進行中であったが、検事1人及び放送通信委員会委員長の権限行使が停止された状況を巡って国家の行政および司法機能の遂行が顕著に困難な状況が発生したとは評価できない。
憲法裁判所は、国会の弾劾審判請求が不適法である又は弾劾事由が認められない場合、その請求を却下又は棄却することができるので、国会の弾劾訴追議決が平常時の憲法秩序による権力行使方法で対処できない国家非常事態を発生させると見ることもできない。
B) 共に民主党の法案推進・反対及び国会の立法権行使
被請求人は共に民主党が違憲的な特別検事任命などに関する法律案を35回発議し、党代表の李在明のための公職選挙法改正案など防弾立法、国家保安法の廃止、国益に反し非常識な防衛事業法改正案、刑法改正案、刑事訴訟法改正案などを推進し、「国会での証言·鑑定などに関する法律」改正案、糧穀管理法改正案、「労働組合および労働関係調整法」改正案、放送法改正案、放送文化振興会法改正案、韓国教育放送公社法改正案など財政負担が大きかったり、違憲の素地があったり、政治的偏向性の高い法律案を一方的に通過させ、スパイ罪の処罰対象を拡大する内容の刑法改正案と民生及び経済活性化などのための政府推進法案に対して反対することで、憲政秩序を撹乱させたと主張する。
しかし、法律案は国会での審議·議決、大統領の法律案公布などの手続きを経て法律として確定してこそその効力が発生するものであるため(憲法第53条)、共に民主党所属の国会議員が何らかの法律案を発議するために準備中であるとか、発議して国会で審査中であるという理由で重大な危機状況が現実的に発生したと判断することは、その合理性を認め難い。 被請求人が言及している法律案の中にはすでに第21代国会の任期満了により廃棄された法律案も含まれているが、すでに廃棄された法律案がこの事件の戒厳宣布当時の国家の存立や憲法秩序、社会秩序、行政および司法機能の遂行に影響を及ぼしていたとは見難い。
また、憲法は被請求人に国会の立法権行使を統制できる権限を与えている。すなわち、大統領は国会で議決された法律案の公布を15日間保留することができ、法律案に異議があるときはその期間内に再議を要求することができる。大統領の再議要求がある時、国会は再議に付すが、在籍議員過半数の出席と出席議員3分の2以上の賛成で前のような議決をしてこそ、その法律案を法律で確定させることができる(憲法第53条第1項ないし第4項)。
被請求人は共に民主党がその所属国会議員が発議した法律案またはそのような法律案が反映された所管委員会代案を一方的に可決させ重大な危機状況が発生したと主張するが、被請求人が指摘している法律案の中で相当数の法律案に対して被請求人が再議を要求し、この事件の戒厳宣布の当時にすでに再議が否決された状態だった。 残りの法律案もやはり被請求人が再議を要求したりその公布を保留することによりその効力が発生しない状態であり、この事件戒厳宣布以後になされた再議要求にともなう再議で全て否決された。 結局、この事件の戒厳宣布の当時、被請求人は本会議で可決された上記の法律案に対して再議を要求したり、これを公布しないことによってその効力が発生することを阻んでいたので、上記の法律案に対する国会の議決で平常時の憲法秩序にともなう権力行使方法で対処できない国家非常事態が発生したと見ることはできない。
被請求人は共に民主党がスパイ罪の処罰対象を拡大する内容の刑法改正案と民生および経済活性化などのための政府推進法案に対して反対したという点もこの事件戒厳宣布の理由として挙げている。 しかし、共に民主党所属の国会議員たちも外国などのためにスパイした者も処罰するなどでスパイ罪の処罰対象を拡大する内容の刑法改正案を発議し、2024.11.13.法制司法委員会法案審査第1小委員会ではスパイ罪の処罰対象を拡大する内容の与党及び野党所属国会議員発議の刑法改正案を反映した代案を提案することに審査されたので、共に民主党が上記のような刑法改正案に反対したとは見難い。また、上述したように、非常戒厳は外敵の侵入、集団又は群衆による社会秩序の撹乱などによって重大な危機状況が現実的に発生した場合、これを事後的に収拾することによって既存秩序を維持·回復するために宣布できるだけで、そのような危機状況が発生する憂慮がある状態または既存秩序が維持されている状態では宣布できない。したがって、スパイ罪関連刑法条項がさらに迅速に改正されず、安保不安の懸念があるとか、共に民主党が政府推進法案に反対して被請求人が公共福利の増進のために樹立した各種政策推進に支障が発生したという理由だけでは非常戒厳宣布を正当化できない。
C) 国会の2025年度予算案審議
被請求人は、国会が2025年度予算案のうち、大統領秘書室及び国家安保室・警察の特殊活動費、検察の特殊活動費及び特定業務経費、長距離艦対空誘導弾(SM-6)事業、接敵地域対ドローン統合体系事業、戦術データリンクシステム性能改良事業など予算を減額して麻薬天国、民生治安恐慌状態にし安全保障空白を招き、主要予算を全額削減して国家の本質的機能が毀損されたと主張する。
国会予算決算特別委員会は2024.11.29.2025年度歳出予算案を減額することを議決した。 過去には減額があればその範囲で増額に対しても審査して反映されてきたが、憲政史上初めて野党が主導して国会予算決算特別委員会で増額なしに減額に対してのみ議決がなされ、その主要内容は次の通りである。
第一に、大統領秘書室及び国家安保室と警察庁の特殊活動費、検察と監査院の特殊活動費及び特定業務経費予算の全額がそれぞれ減額され、この中には検察の国民生活侵害犯罪捜査、社会的弱者対象犯罪捜査、麻薬捜査、社会公正性阻害事犯捜査、公共捜査、刑事部など捜査支援関連の特殊活動費と特定業務経費が含まれていた。
第二に、予備費も相当部分減額された。
第三に、「油田開発事業出資」事業(別名「シロナガスクジラプロジェクト」)関連予算、「民官合作先進原子炉輸出基盤構築(R&D)」事業関連予算、「個人基礎研究(R&D)(グローバルマッチング型)」事業関連予算がそれぞれ大幅に削減され、「量子科学技術グローバルパートナーシップ先導大学支援(R&D)」事業関連予算、「バイオ·医療技術開発(R&D)」事業関連予算、「専攻医の修練環境革新支援」事業関連予算もそれぞれ減額された。
しかし2025年度の予算案は政府が2025年に支出する予算に関するものなので、2024年の予算を執行していたこの事件の戒厳宣布の当時には国家の存立や憲法秩序、社会秩序、行政および司法機能の遂行に現実的に影響を及ぼしていたとは見られない。
さらに、この事件の戒厳宣布の当時、国会は政府が提出した2025年度予算案を審議していただけで、これに関して本会議の議決がなされた状態でもなかった。 国会予算決算特別委員会で2025年度の歳出予算案を減額する内容の修正案が2024.11.29.可決されたが、2024.12.2.国会議長の要請で本会議議決に進まず2024.12.10.まで与党と野党が継続して予算案に関する議論を進行することにした状況だあった。 国会の予算案審議が完了していない状況で、予算決算特別委員会の減額議決があったという理由だけで重大な危機状況が現実的に発生したとは見難く、本会議でそのまま議決される場合、将来の治安不安などが憂慮されるという理由だけでは非常戒厳宣布を正当化できない。政府が関連資料を提出し、与党と野党が追加的に予算案を審議することで対応できる状況について、普段の憲法秩序による権力行使方法で対処できない国家非常事態が発生したと評価することもできない。
国会予算決算特別委員会は2025年度歳出予算案のうち4.1兆ウォンを減額する内容で議決したが、2023年には4.7兆ウォンが、2022年には13.8兆ウォンが国会本会議の議決で減額された点、減額された4.1兆ウォンのうち1.4兆ウォンは予測できない予算外の支出または予算超過支出に充当するための一般予備費であり(国家財政法第22条第1項)、0.5兆ウォンは公共資金管理基金予受利子の償還のための金額である点などを考慮すれば、主要予算を全額削減して国家の本質的機能が毀損されたという被請求人の主張もその合理性を認め難い。
被請求人は原発産業、東海深海ガス田開発事業、各種技術開発産業、福祉事業などの予算の一部が減額された点も指摘している。しかし、先に述べたように、重大な危機状況が現実的に発生し、既存の秩序を維持·回復する必要がある場合ではなく、既存の秩序が維持されている状態に過ぎない場合には、非常戒厳を宣布することができないため、被請求人が推進しようとした上記のような事業遂行に支障が予想されるという理由だけでは非常戒厳宣布を正当化できない。
一方、被請求人が野党が一方的に減額したと主張する長距離艦対空誘導弾(SM-6)事業予算に対しては、常任委員会予算決算審査小委員会で米国側の武器開発手続きが遅延し減額が必要だという与野党間の合意があり、接敵地域対ドローン統合体系事業予算に対しても周波数を確保できず減額が必要だという与野党間の合意があった。その他にも被請求人が野党が一方的に減額したと主張する事業予算のうち、戦術データリンクシステム性能改良事業、子供ケア手当て、青年雇用支援インフラ運営事業など相当部分に対して常任委員会予算決算審査小委員会で減額することにする与野党間の合意があり、軍幹部処遇改善のための当直勤務費引き上げ予算などは当初政府案に含まれていなかった。 このような点に照らしてみると、被請求人の予算関連の一部主張は妥当だとは見られない。
D) その他の共に民主党の活動
被請求人はその他にも共に民主党が200回に及ぶ大統領退陣・弾劾集会を開き、4大改革に反対し、国連の対北朝鮮制裁を解かなければならないと主張したり、韓米日東海合同訓練を戦争誘発行為であり極端な親日行為と罵倒するなど安保に脅威を加え、フェイクニュースを数えきれないほど生産し散布するなどで国家社会を混乱に陥れ、党代表である李在明(イ・ジェミョン)の刑事事件と関連して裁判所と検察庁付近でのデモを勧奨したり、憲法裁判所の構成を妨害するなどで司法権が正常に作動できないようにしたと主張する。 また、被請求人は共に民主党の目的や活動が民主的基本秩序に反するため、憲法第8条第4項により政党解散審判を受けるべきの状況だとも主張する。
今日の民主主義体制は、基本的に代議制を採択しており、多様な政治的理念と価値観を追求する多くの政党が、社会の公的な葛藤と政治的問題をめぐって各自の代案と解決策を提示する過程で、多数の国民の支持を得る政党が、与えられた時限の中で国政の主導権を行使することを保障する手続きで運営される。 論理と正当性の優位を通じて支持を確保しようとする政党の競争の中で、社会の民主的発展を成し遂げようとする複数政党体制がその基本的な土台になる(憲法裁2014.12.19.2013憲ダ1参照)。 したがって、大統領や与党と異なる政治的理念と価値観を追求する野党が、政府を批判しけん制する役割をすることは、民主主義体制で必ず保障されなければならない政党の活動に属する。
共に民主党が被請求人と異なる政治的見解を示したり、被請求人の政策を批判して被請求人の権限行使をけん制したり、被請求人の退陣を要求することは、憲法上に保障されている代議民主主義と複数政党体制を考慮すると、非常戒厳を正当化できる理由になりえない。
被請求人の主張のように共に民主党が虚偽事実を公表するなどの行為をしたとしても、その行為がもたらす社会·政治的混乱は現行法が設けている国民の自由で公正な討論を保障するための様々な制度的装置を通じて十分に対処できるものであるため(刑法第307条第2項、公職選挙法第82条の4、第96条、第110条、第110条の2、第250条など)、そのような行為が平常時の憲法秩序による権力行使方法では対処できない国家非常事態を発生させるとは言えない。被請求人は共に民主党代表の李在明が自身の刑事事件で裁判遅延戦略を使ったり裁判所と検察庁近隣でのデモを勧奨し、共に民主党が憲法裁判所の構成を妨害するなどで司法権が正常に作動できないようにしたとも主張するが、それが事実だとしても、それによって戦時·事変に準ずる国家非常事態で社会秩序が極度に撹乱され司法機能の遂行が顕著に困難な状況が発生したと見ることはできない。
ひいて、被請求人の主張のように共に民主党の目的や活動が民主的基本秩序に反するとしても、そのような理由は非常戒厳宣布を正当化することはできない。 憲法第8条第4項の政党解散審判制度は、すべての政党、特にその中でも政府を批判する役割をする野党の存立と活動は最大限保障され、たとえある政党が民主的基本秩序を否定し、これを積極的に攻撃するように見えたとしても、国民の政治的意思形成に参加する政党として存在する限り、我が国の憲法によって最大限厚く保護されるので、単に行政府の通常的な処分によっては解散できず、ただ憲法裁判所がその政党の違憲性を確認して解散の必要性を認めた場合にのみ政党政治の領域から排除されるという憲法制定者の規範的意志を表現したものだからである。(憲法裁2014.12.19.2013憲ダ1参照)。
E) 不正選挙など
① 被請求人は不正選挙疑惑を解消するためにこの事件の戒厳を宣布したとも主張するが、単純に何らかの疑惑があるということだけで戦時·事変に準ずる国家非常事態で社会秩序が極度に撹乱され、行政及び司法機能の遂行が顕著に困難な状況が発生したと見ることはできない。
被請求人は、選管委が憲法機関であり、司法府関係者が委員であるため、令状による押収·捜索や強制捜査が事実上不可能であり、他に不正選挙疑惑を解消する方法がなかったという趣旨で主張するが、選管委は選挙訴訟で裁判所の現場検証に応じてきたし、捜査機関の押収·捜索にも応じてきた。 不正選挙疑惑は選挙訴請または選挙訴訟を通じて解消でき(公職選挙法第219条、第222条)、公職選挙法は法令によらず投票箱を開いたり、投票を偽造したり、その数を増減するなどの場合に処罰するよう規定しているため(公職選挙法第243条、第249条など)、このような疑惑に関しては刑事手続きを通じて実体的真実を明らかにすることができる。
一方、被請求人は、選管委が国家情報院(以下「国情院」という)の保安点検を受ける際、全体システム装備の約5%程度に対してのみ点検に応じ、残りに対しては応じなかったと主張する。 しかし、選管委は2023.7.頃から2023.9.頃まで国情院の保安点検を受けながら点検対象に要請された装備を全て提供した。 被請求人が主張している疑惑の中には、2020年に実施した第21代国会議員選挙で折れた跡のない投票紙、接着剤が付いている投票紙、投票管理官印の印影が崩れた投票紙などの疑惑が提起され、すでに検証·鑑定を経て裁判所の確定判決でその疑惑が解消されたものも含まれている(最高裁2022.7.28.宣告 2020ス30判決; 最高裁2022.7.28.宣告 2020ス5028判決等参照)。
被請求人は2024年4月の総選挙を控えて問題のある部分に対する改善を要求したが、まともに改善されたかは分からないとも主張する。しかし、中央選管委は2023.10.10. セキュリティパッチ、脆弱パスワードの変更、統合選挙人名簿DBサーバー接近への統制強化など補完が至急な事項に対する措置を完了したという内容の報道資料を、2023.11.2. その他の主要弱点は第22代国会議員選挙前までに予算当局の協力を通じて改善を完了するという内容の報道資料を、2024.3.11. セキュリティ点検で指摘された弱点はほとんど措置したという内容の報道資料をホームページに掲示及び配布した。 中央選管委は、第22代国会議員選挙の実施前に情報セキュリティ業務担当者のPCのみが選挙サーバーにアクセスできるようにするなどしてセキュリティを強化し、不正選挙疑惑を解消するために事前·郵便投票箱の保管場所のCCTV映像を24時間公開し、開票過程で手検票制度を導入するなどの措置を取り、政党参観人の立会いの下に2回、国情院と合同で履行有無の現場点検を施行した。
このような状況を考慮してみれば、被請求人のこの部分の主張は妥当だとは見られない。
② 被請求人はこの事件の戒厳宣布の当時、韓国が北朝鮮及び中国、ロシアのような社会主義、全体主義国家が従来の通常兵器を使用した全面戦以外に非正規戦、テロ、心理戦、世論戦、サイバー戦など動員可能なすべての手段を展開可能なすべての領域で使用して攻撃するいわゆる「ハイブリッド戦」状況だったとも主張する。しかし、被請求人が主張する事情だけでは単純な抽象的な可能性を越え、この事件の戒厳宣布の当時に非軍事的攻撃によって平常時の憲法秩序による権力行使方法で対処できない重大な危機状況が発生したと判断できる客観的な情況があったとは認められず、「ハイブリッド戦」のような非軍事的攻撃に対して国会に兵力を動員して対応できるわけでもない。
3) 小結
結局、被請求人が共に民主党と関連して主張する事情は、共に民主党所属の国会議員が国民の代表として憲法上に付与された法律案提出権、法律案審議·表決権を行使したり、国会が国民の代表機関として憲法上に付与された弾劾訴追権、立法権、予算案審議·確定権を行使したり、共に民主党が憲法上に保障された政党の自由を行使したことに該当する。それによって被請求人の国政運営に相当な支障が生じたとしても、これは大統領制を採択している我が国でいわゆる「与小野大政局」が形成される場合、国会で多数の地位を占めている野党が憲法及び法律によって国会に付与された政府に対する牽制権を最大限行使することによって発生しうる状況なので、これを国家緊急権の発動が要請される国家非常事態と見ることはできない。憲法は、国会議員及び国会に各種権限を与え、政党の自由を認めながらも、その権限の乱用と自由の限界を超えた行為を統制できる装置を自ら設けているため、被請求人は憲法が大統領に与えた平常時の権力行使方法で対処すべきだった。
その他、被請求人が主張する不正選挙疑惑、いわゆる「ハイブリッド戦」状況をすべて考慮しても、戦時·事変に準ずる国家非常事態で社会秩序が極度に撹乱され、行政及び司法機能の遂行が顕著に困難な状況が発生したという被請求人の判断を客観的に正当化できるほどの危機状況がこの事件の戒厳宣布当時に存在したと言えないので、上記のような被請求人の判断は顕著に非合理的又は恣意的なものと見るしかない。
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言及された法律条文
大韓民国憲法
第8条 第4項 政党の目的又は活動が民主的基本秩序に違背するときは、政府は、憲法裁判所にその解散を提訴することができ、憲法裁判所の審判により、これを解散する。
第53条 第1項 国会において議決された法律案は、政府に移送されてから十五日以內に大統領が公布する。
第53条 第2項 法律案に異議のあるときは、大統領は、第一項の期間內に異議書を付して国会に還付し、その再議を要求することができる。国会の閉会中も、また同様とする。
第53条 第3項 大統領は、法律案の一部について、又は法律案を修正して再議を要求することができない。
第53条 第4項 再議の要求のあるときは、国会は、再議に付し、在籍議員の過半数の出席及び出席議員三分の二以上の賛成で、以前と同様の議決をすれば、その法律案は、法律として確定する。
第53条 第5項 大統領が第一項の期間內に公布又は再議の要求をしなかったときも、その法律案は、法律として確定する。
第65条 第1項 大統領・国務総理・国務委員・行政各部の長・憲法裁判所の裁判官・法官・中央選挙管理委員会の委員・監査院長・監査委員その他法律の定める公務員がその職務執行においてこの憲法又は法律に違背したときは、国会は、弾劾の訴追を議決することができる。
第77条 第1項 大統領は、戦時・事変又はこれに準じる国家非常事態において、兵力をもって軍事上の必要に応じ、又は公共の安寧秩序を維持する必要のあるときは、法律の定めるところにより、戒厳を宣布することができる。
戒厳法
第2条 第2項 非常戒厳は、大統領が戦時·事変又はこれに準ずる国家非常事態の時、敵と交戦状態にあり、又は社会秩序が極度に撹乱され行政及び司法機能の遂行が顕著に困難な場合に、軍事上の必要に応じ、又は公共の安寧秩序を維持するために宣布する。
憲法裁判所法
第53条 第1項 弾劾審判請求に理由がある場合には、憲法裁判所は被請求人を当該公職から罷免する決定を宣告する。
公職選挙法
第82条の4 第2項 何人も「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律」第2条第1項第1号による情報通信網(以下「情報通信網」という)を利用して候補者(候補者になろうとする人を含む。 以下この条において同じ)、その配偶者又は直系尊·卑属又は兄弟姉妹に関して虚偽の事実を流布してはならず、公然と事実を摘示してこれらを誹謗してはならない。 但し、真実の事実として公共の利益に関するときは、この限りでない。
第82条の4 第3項 各級選挙管理委員会(邑·面·洞選挙管理委員会を除く)又は候補者は、この法律の規定に違反する情報がインターネットホームページ又はその掲示板·チャットルーム等に掲示され、又は情報通信網を通じて伝送される事実を発見したときは、当該情報を掲示した者又は当該情報が掲示されたインターネットホームページを管理·運営する者に対し、当該情報の削除を要請し、又は伝送される情報を取扱うインターネットホームページの管理·運営者又は「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律」第2条第1項第3号の規定による情報通信サービス提供者(以下「情報通信サービス提供者」という)に対し、その取扱いの拒否·停止·制限を要請することができる。 この場合、インターネットホームページ管理·運営者または情報通信サービス提供者が候補者の要請に従わない時は、該当候補者は管轄選挙区選挙管理委員会に書面でその事実を通知することができ、管轄選挙区選挙管理委員会は候補者が削除要請又は取扱いの拒否·停止·制限を要請した情報が同法の規定に違反すると認められる時は、該当インターネットホームページ管理·運営者又は情報通信サービス提供者に削除要請又は取扱いの拒否·停止·制限を要請することができる。
第82条の4 第4項 第3項により選挙管理委員会から要請を受けた該当情報の掲示者、インターネットホームページ管理·運営者又は情報通信サービス提供者は遅滞なくこれに従わなければならない。
第82条の4 第5項 第3 項により選挙管理委員会から要請を受けたインターネットホームページ管理·運営者又は情報通信サービス提供者は、その要請を受けた日から、当該情報を掲示し、又は伝送した者は、当該情報が削除され、又はその取扱いが拒否·停止又は制限された日から3 日以内に、その要請をした選挙管理委員会に異議申請をすることができる。
第96条 第1項 何人も選挙に関する世論調査の結果を歪曲して公表又は報道することはできない。
第96条 第2項 放送·新聞·通信·雑誌その他の刊行物を経営·管理する者又は編集·取材·執筆·報道する者は、次の各号のいずれかに該当する行為をすることができない。
第96条 第2項の1号 特定候補者を当選させ、又は当選させない目的で選挙に関して虚偽の事実を報道し、又は事実を歪曲して報道又は論評をする行為
第96条 第2項の2号 世論調査結果などの客観的資料を提示せずに選挙結果を予測する報道をする行為
第110条 第1項 何人も、選挙運動のために候補者(候補者になろうとする者を含む。 以下この条において同じ)、候補者の配偶者又は直系尊卑属又は兄弟姉妹の出生地·家族関係·身分·職業·経歴等·財産·行為·所属団体、特定人又は特定団体からの支持有無等に関し虚偽の事実を公表することができず、公然と事実を摘示して私生活を誹謗することができない。 但し、真実の事実として公共の利益に関するときは、この限りでない。
第110条 第2項 何人も選挙運動のために政党、候補者、候補者の配偶者又は直系尊卑属や兄弟姉妹と関連して特定地域·地域人又は性別を公然と卑下·侮辱してはならない。
第219条 第1項 地方議会議員及び地方自治体の長の選挙における選挙の効力について異議のある選挙人·政党(候補者を推薦した政党に限る。 以下この条において同じ。)又は候補者は、選挙日から十四日以内に当該選挙区選挙管理委員会委員長を被訴請人として、地方区市·道議員選挙(地方区世宗特別自治市議会議員選挙は除く)、自治区·市·郡議員選挙及び自治区·市·郡の長選挙においては市·道選挙管理委員会に、比例代表市·道議員選、地方区世宗特別自治市議会議員選及び市·道知事選においては中央選管に訴請することができる。
第219条 第2項 地方議会議員及び地方自治体の長の選挙において当選の効力について異議がある政党又は候補者は、当選人の決定日から十四日以内に第52条第1項から第3項まで又は第192条第1項から第3項までの事由に該当することを理由とするときは、当選人を、第190条(地方区地方議会議員当選人の決定·公告·通知)又は第191条(地方自治体の長の当選人の決定·公告·通知)の規定による決定の違法を理由とするときは、当該選挙区選挙管理委員会委員長をそれぞれ被訴請願人とし、地方区市·道議員選挙(地方区世宗特別自治市議会議員選挙は除く)、自治区·市·郡議員選挙及び自治区·郡の長選挙においては、市道選挙管理委員会に、比例代表市·道議員選挙、地方区世宗特別自治市議会議員選挙及び市·道知事選挙においては中央選挙管理委員会に訴請することができる。
第222条 第1項 大統領選挙及び国会議員選挙において選挙の効力について異議のある選挙人·政党(候補者を推薦した政党に限る)または候補者は選挙日から三十日以内に当該選挙区選挙管理委員会委員長を被告として大法院に訴訟を提起することができる。
第243条 第1項 法令によらず投票箱を開き、又は投票箱(空の投票箱を含む)若しくは投票箱内の投票用紙を取去·破壊·毀損·隠匿し、又は奪取した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
第249条 第1項 投票を偽造し、又はその数を増減した者は、一年以上七年以下の懲役に処する。
第249条 第2項 選挙管理委員会の委員·職員又は選挙事務に関係のある公務員(投票事務員·事前投票事務員及び開票事務員を含む)若しくは従事員が第一項に規定する行為をしたときは、三年以上十年以下の懲役に処する。
第250条 第1項 当選し、又はさせる目的で、演説·放送·新聞·通信·雑誌·張り紙·宣伝文書その他の方法により候補者(候補者になろうとする者を含む。 以下この条において同じ)に有利となるように候補者、候補者の配偶者又は直系尊卑属又は兄弟姉妹の出生地·家族関係·身分·職業·経歴等·財産·行為·所属団体、特定人又は特定団体からの支持有無等に関し虚偽の事実[学歴を掲載する場合、第64条第1項の規定による方法で掲載しない場合を含む]を公表し、又は公表させた者と虚偽の事実を掲載した宣伝文書を配布する目的で所持した者は、五年以下の懲役又は三千万ウォン以下の罰金に処する。
第250条 第2項 当選しないようにする目的で演説·放送·新聞·通信·雑誌·張り紙·宣伝文書その他の方法で候補者に不利になるように候補者、その配偶者又は直系尊卑属又は兄弟姉妹に関して虚偽の事実を公表し、又は公表させた者と、虚偽の事実を掲載した宣伝文書を配布する目的で所持した者は、七年以下の懲役又は五百万ウォン以上三千万ウォン以下の罰金に処する。
第250条 第3項 党内予備選挙に関し、第1項(第64条第1項の規定による方法により学歴を掲載しない場合を除く)に規定する行為をした者は、三年以下の懲役又は六百万ウォン以下の罰金に、第2項に規定する行為をした者は、五年以下の懲役又は一千万ウォン以下の罰金に処する。 この場合において、「候補者」又は「候補者(候補者になろうとする者を含む)」とあるのは、「予備選挙候補者」とみなす。
第250条 第4項 第82条の8第2項を違反して中央選挙管理委員会規則で定める事項をディープフェイク映像等に表示しないで第1項に規定された行為をした者は、五年以下の懲役又は五千万ウォン以下の罰金に、第2項に規定された行為をした者は七年以下の懲役又は一千万ウォン以上5千万ウォン以下の罰金に処する。
刑法
第307条 第2項 公然と虚偽の事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、五年以下の懲役、十年以下の資格停止又は一千万ウォン以下の罰金に処する。
国家財政法
第22条 第1項 政府は、予測できない予算外の支出または予算超過支出に充てるため、一般会計予算総額の百分の一以内の金額を予備費として歳入歳出予算に計上できる。 但し、予算総則などによって予め使用目的を指定しておいた予備費は、本文にもかかわらず、別途に歳入歳出予算に計上できる。
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