尹錫悦大統領弾劾審判決定文全文(5) + 言及された法条文及び憲法裁判事件番号の解説
10. 被請求人を罷免するかの可否
A. 法違反の重大性に関する判断基準前述したように、憲法裁判所法第53条第1項は、「弾劾審判請求が理由のある場合」被請求人を罷免する決定を宣告するよう規定しており、大統領に対する弾劾審判事件において「弾劾審判請求が理由のある場合」とは、大統領の罷免を正当化できるほど重大な憲法や法律違反があるときを言う(憲法裁2017.3.10. 2016憲ナ1参照)。
大統領の罷免を正当化できる憲法や法律違反の重大性を判断する基準は、弾劾審判の手続きが憲法を守護するための制度であるという観点と、罷免決定が大統領に与えた国民の信任を剥奪するという観点から探せる。弾劾審判の手続きが究極的に憲法の守護に寄与する手続きという観点から見れば、罷免決定を通じて損傷した憲法秩序を回復することが要請されるほど、大統領の法違反行為が憲法守護の観点で重大な意味を持つ場合に罷免決定が正当化される。また、大統領が国民から直接に民主的正当性を与えられた代議機関という観点から見れば、大統領に与えた国民の信任を任期中に剥奪しなければならないほど、大統領が法違反行為を通じて国民の信任を裏切った場合に限って、大統領に対する弾劾事由が存在すると見なければならない(憲法裁2004.5.14. 2004憲ナ1; 憲法裁2017.3.10. 2016憲ナ1参照)。
B. 判断
(1) 憲法守護の観点から法違反が重大かの可否(a) 国民主権主義及び民主主義に対する違反
憲法第1条第1項は「大韓民国は民主共和国である」と規定して民主主義を統治形態として採択しており、憲法第1条第2項は「大韓民国の主権は国民にあり、すべての権力は国民から生じる」と規定して国家権力の根源と主体が国民であり、国民だけが国家の政治的支配に正当性を付与できるという国民主権主義を宣言している。これは国家権力の形成と行使が国家の特定階級や特定集団によって独占的に支配されないという点を明確にしたものである。
憲法第40条、第41条第1項、第66条第4項、第67条第1項は代議民主主義を採択することで、民主主義の原理を具体化している。 代議民主主義で主権者である国民は選挙を通じて国会議員を選出し、国会議員は国民の代表として国民に対して自身の決定に対する政治的責任を負う。国会は、国民の代表で構成された多元的な人的構成の合議体として、一般国民と野党の批判を許容し、公開的討論を通じて国民の多様な見解と利益を認識し、較量する民主的手続きを通じて立法機能、政府監督機能、財政に関する機能などを遂行する(憲法裁2003.10.30.2002憲ラ1; 憲法裁2004.3.25.2001憲マ882参照)。要するに、国会は国民主権主義に立脚した民主国家を実現する国民の代表機関である。
被請求人はこの事件の戒厳宣布及びこの事件の布告令を通じて国会の活動を全面的に禁止し、国会の憲法上の権限行使を防ぐ意図で国会に軍警を投入させて国会出入りを統制し、本会議場で国会議員たちを引っ張り出せと指示することにより国民の代表機関である国会の権限行使を妨害した。
それだけでなく、被請求人は国民が政治的な反対意思を示すことを根本的に排除するために、この事件の布告令を通じて政党の活動と政治的結社・集会・デモなど一切の政治活動を禁止し、すべての言論と出版は戒厳司令部の統制を受けるようにすることで、すべての国民の政治的表現の自由を全面的·包括的に剥奪した。
被請求人のこのような行為は自由民主的基本秩序を侵害したもので、国民主権主義及び民主主義に対する重大な違反行為に該当し、それによって憲法秩序に及ぼした否定的な影響も厳重である。
(b) 憲法が定めた統治構造に対する否認
憲法は、主権者たる国民から国家権力の行使を委任された国家機関がその権力を乱用することを防止するため、国家権力を行使する様々な権限と機能を分散させ、権力相互間のけん制と均衡を成すようにする権力分立の原則を採択している(憲法裁2007.12.27. 2004憲バ98参照)。
また、執権勢力が特定機能を担当する国家組織を利用して国民の基本権と憲法的価値を侵害した我が国の痛い歴史的経験に対する反省として、憲法は国軍の政治的中立性を明示し(憲法第5条第2項、憲法裁2018.7.26.2016憲バ139参照)、各種選挙及び投票管理などに関する事務を一般行政業務と機能的に分離して独立した憲法機関である選管委に任せることにより(憲法第114条、第115条、憲法裁2008.6.26. 2005憲ラ7参照)、政権勢力の不当な利用と干渉を制度的に排除ないしけん制できるようにしている。
現行憲法は長期独裁の可能性を遮断するために大統領の国会解散権を廃止し、第77条第5項で大統領の戒厳宣布権を統制できる戒厳解除要求権を国会に付与している。それにもかかわらず、被請求人は国会との対立状況を打開する意図でこの事件の戒厳を宣布し、国会の活動を全面的に禁止するこの事件の布告令を発令させ、軍警を動員して国会の権限行使を阻止しようとした。また、被請求人はこの事件の布告令を通じて憲法が定めた地方自治体の機関である地方議会の活動を全面的に禁止することにより地方自治の本質的内容を侵害し、必要時に逮捕する目的で行われた法曹人に対する位置確認指示に関与することにより司法権の独立を侵害した。被請求人のこのような行為は、法治国家原理の基本要素である権力分立の原則を重大に違反したものである。
また、被請求人は不正選挙疑惑を解消するためにこの事件の戒厳宣布と同時に軍警を送り、中央選管委庁舎を占拠し選挙管理に使われる電算システムなどを押収·捜索するようにした。このような被請求人の行為は、選挙管理事務を不当に干渉し、選管委の独立性を侵害したものであり、その違反が重大である。
さらに被請求人は国会との対立状況を打開する意図で兵力を動員して上記のような行為をした。 これは国軍の政治的中立性に反して国軍統帥権を行使しただけでなく、それによって国家の安全保障と国土防衛の神聖な義務を遂行することを使命として国のために奉仕してきた国軍の士気を低下させ国軍に対する国民の信頼を傷つけたので、その違反が非常に重大である。
結局、被請求人は憲法が定めた統治構造に符合するように権限を行使せず、戒厳宣布権及び国軍統帥権を乱用して国会、地方議会の権限、司法権および選管の独立性を侵害し、国軍の政治的中立性を毀損したので、これは法治国家原理に違反した行為に該当し、その違反の程度とそれによって憲法秩序に及ぼした否定的な影響も重大である。
(c) 国民の基本権に対する重大な侵害
被請求人は、行政府の首班として国家が個人が有する不可侵の基本的人権を確認し、これを保障する義務を忠実に履行できるよう権限を行使し、職責を遂行しなければならない義務を負う(憲法第10条、憲法裁判所2017.3.10.2016憲ナ1参照)。
ソウル高等裁判所は1979.10.27. 戒厳布告第1号が令状主義と罪刑法定主義の明確性原則に違反し、言論·出版·集会·結社の自由などを侵害して違憲·無効と判断し(ソウル高等裁判所2021.11.11.宣告 2020裁ノ26判決参照)、最高裁判所も上記戒厳布告と類似した内容を規定していた1979.10.18.非常戒厳宣布による戒厳布告第1号などを違憲·無効と判断した(最高裁2018.11.29.宣告 2016ド14781判決; 最高裁2018.12.13.宣告 2016ド1397判決; 最高裁判所2018.12.13. 2015モ2381決定; 最高裁2018.12.28. 2017モ107決定; 最高裁2019.1.31.宣告 2018ド6185判決参照).
それにもかかわらず、被請求人は上記の1979.10.27.戒厳布告第1号などを参考にして作成されたこの事件の布告令を発令させた。 この事件の布告令は、国会、地方議会および政党の活動を全面的に禁止し、一切の政治活動を禁止し、すべての言論と出版が戒厳司令部の統制を受けるようにし、社会混乱を助長するストライキ、怠業、集会を全面的に禁止し、すべての医療関係者を48時間以内に本業に復帰させて勤務させるなど国民の自由を広範囲に制限し、これに違反すれば令状なしに逮捕·拘禁·押収·捜索し戒厳法第14条により処断するという内容を含んでいる。
結局、被請求人は憲法と法律を違反してこの事件戒厳を宣布し、この事件布告令を発令させることで国民の基本権を包括的·全面的に侵害したので、その法違反の程度が厳重であり、憲法秩序に及ぼす否定的影響も非常に大きい。
(d) 被請求人は、この事件の戒厳が野党の専横と国政の危機状況を国民に知らせ、訴える目的で即時解除を前提で暫定的·一時的措置として宣布された「警告性戒厳」又は「訴え型戒厳」であること、 国会が非常戒厳解除要求の手続きを迅速に進めたほど議政活動が正常に行われたこと、国会の非常戒厳解除要求により約6時間でこの事件の戒厳を解除したこと、言論·出版·集会·結社の自由が実質的に封鎖された具体的な事例も全く確認されないこと、実際に政治家などに対する逮捕がなされなかったことなどを挙げ、被請求人の法違反が重大でないという趣旨で主張する。
しかし、前述したように被請求人が宣布した非常戒厳とそれに伴って行った一連の憲法及び法律違反行為は、直ちに憲法的価値と基本権を侵害することになるという点で、単純に「警告性戒厳」又は「訴え型戒厳」に過ぎないと見ることはできない。被請求人がこの事件の戒厳を宣布した後、軍警を投入して国会の憲法上の権限行使を妨害することで、国民主権主義及び民主主義を否定し、兵力を投入して中央選管委を押収·捜索するようにするなど、憲法が定めた統治構造を無視し、この事件の布告令を発令することで、国民の基本権の広範囲に侵害した一連の行為は法治国家原理と民主国家原理の基本原則を違反したものであり、それ自体で憲法秩序を侵害し、民主共和政の安定性に深刻な危害を及ぼしたので、憲法守護の観点から容認できない重大な法違反に該当する。
被請求人の国会統制などにもかかわらず、国会が迅速に非常戒厳解除要求決議案を可決できたのは、市民の抵抗と軍警の消極的な任務遂行のおかげだったので、結果的に非常戒厳解除要求決議案が可決されたという理由で被請求人の法違反が重大ではないと見ることはできない。また、この事件の布告令の発令と同時に国民の基本権が広範囲に侵害され、被請求人は戒厳司令官・朴安洙に電話して警察庁長・趙志浩にこの事件の布告令の内容を知らせるようにとし、趙志浩に直接6回にわたって電話したので、その他にこの事件の布告令違反を理由にした追加的な措置が取られなかったという理由で被請求人の法違反が重大でないと見ることもできない。 被請求人が国会の非常戒厳解除要求を受け入れてこの事件戒厳を解除したことは事実であるが、これは国会の戒厳解除要求に伴う戒厳解除義務を違反しなかったということを示すだけで、すでに被請求人が行った法違反まで重大ではないと評価することはできない。
(e) 請求人が被請求人のこの事件の戒厳宣布をはじめとする一連の行為に対して内乱罪など刑法違反行為で構成したが、これを憲法違反行為に包摂して主張したという点は、前の適法要件判断の部分で見た通りである。憲法裁判所はこの事件で上記の行為と関連した事実関係を憲法及び戒厳法など違反の法律的関係に包摂して審理し、これを土台に被請求人の法違反が重大であると判断した。このような点に照らしてみると、この事件で内乱罪など刑法違反の有無に関する判断はなかったとしても、それと関連した事実関係に対する審理を経て憲法及び戒厳法など違反に対する判断をし、これを土台にその法違反の重大性を判断しているので、被請求人の法違反の重大性に対する判断が誤りであり、又は不足であると見ることはできない。
(2) 国民の信任を裏切った行為に該当するかの可否
(a) 国家緊急権乱用の歴史再現
我が国民は長い間、国家緊急権の乱用に犠牲になってきた痛い経験を持っている。1952年には李承晩前大統領が釜山でいわゆる「政治波動」を起こし戒厳を宣布した後、大統領直選制を骨子とする改憲案を通過させた。朴正熙前大統領は1971.12.6.国家非常事態を宣布したが、これを法的に裏付けるために1971.12.27.制定された「国家保衛に関する特別措置法」は、大統領が彼の裁量により非常事態を宣布し、国民の基本権を停止させ、国会で審議·確定した予算案を変更できるなどの非常大権を大統領に付与した(憲法裁1994.6.30.92憲ガ18; 憲法裁2015.3·26·2014憲ガ5参照)。
朴正熙前大統領は1972.10.17.大統領特別宣言を通じて既存の憲政秩序を中断させ、いわゆる維新体制に移行しようと、それに対する抵抗を事前に封鎖するために非常戒厳を宣布し(最高裁2018.12.13.宣告2016ド1397判決参照)、1979.10.18.維新体制に対する国民的抵抗である釜馬民主抗争(釜馬民主抗争関連者の名誉回復及び補償などに関する法律第2条第1号)を弾圧するために非常戒厳を宣布した(最高裁2018年11月29日宣告2016ド14781判決参照)。全斗煥、盧泰愚前大統領らは、いわゆる12·12軍事反乱で軍の指揮権と国家の情報機関を掌握した後、政権奪取のために1980.5.17.当時の大統領らを強圧し、非常戒厳の全国拡大を宣布させた(最高裁1997.4.17.判決96ド3376判決参照)。上記の戒厳令宣布にはすべて国民の基本権を広範囲に制限する戒厳布告が伴った。
国家緊急権の深刻な濫用は、維新憲法(1972.12.27.憲法第8号で全部改正された憲法)第53条に基づく緊急措置権の発動でも現れた。緊急措置は9回にわたって発動されたが、国民の基本権を侵害する違憲的な内容で濫用され、これに対する反省として1980.10.27. 第8次改憲でこれを廃止し非常措置権限(第51条)に代替し、1987.10.29.第9次改憲では非常措置権限も廃止した(憲法裁2013.3.21. 2010憲バ132等参照)。
大統領有故を理由に1979.10.27.宣布された戒厳が1981.1.24.解除された以後、1993.8.12.「金融実名取引及び秘密保障に関する緊急財政経済命令」が発令された以外にはこの事件戒厳宣布前まで国家緊急権が行使されなかった。これは民主主義が定着し、国民の憲法守護に対する意志が確固になって現れた当然の結果であった。前述したように、憲法裁判所と最高裁判所も過去の国家緊急権の発動が憲法に違反することを確認することで、立憲民主主義を強固にした。
被請求人は最後の戒厳が宣布された時から約45年が過ぎた2024.12.3. 再び政治的目的でこの事件の戒厳を宣布することにより国家緊急権を乱用した。この事件の戒厳宣布及びそれに伴う措置は社会的·経済的·政治的·外交的に大きな波紋を呼び起こし、もはや国家緊急権が政治的目的で乱用されないと信じていた国民は大きな衝撃を受けた。被請求人による国家緊急権の乱用は、国民の憲法上の基本権を侵害し、憲法秩序を侵害しただけでなく、対外信用度に及ぼす否定的な影響、政治的不確実性の拡大による外交的、経済的不利益などを考慮すると、国益を重大に害したことが明白である。
結局、我々の憲政史的脈絡で、同事件の戒厳宣布とそれに伴う措置が国民に与えた衝撃と、国家緊急権の乱用が国内外に及ぼす影響を考慮すると、被請求人が自由民主的基本秩序を守護し、国政を誠実に遂行するという信頼が失われ、これ以上彼に国政を任せることができないほどに至ったと見るほかない。
(b) 大統領としての権限行使に対する不信を招来
我が国の憲法は、大統領を行政府の首班であり国家元首と規定し(第66条第1項及び第4項)、多くの権限を行使できるようにしている。しかし、大統領の権限はあくまでも憲法によって付与されたものであるため(憲法裁2004.5.14. 2004憲ナ第1号参照)、権限を保有するという理由だけで憲法的限界を超えて、これを恣意的に行使することはできない。特に我が国の憲法が選んだ大統領制では、大統領の権限行使が国民の基本権及び憲法秩序に及ぼす影響が相当なので、その行使にさらに慎重を期さなければならず、他の国家機関の適切なけん制も加えられる必要がある。
我が国の憲法が大統領に与えた様々な権限の中でも「国家緊急権」は、先に述べたように、通常の憲法秩序だけでは対処できない重大な危機状況に備え、極めて例外的に認められる非常的権限であるため、その行使において憲法的限界が特に厳格に遵守される必要がある(憲法裁2015.3.26. 2014憲ガ5参照)。 ところが被請求人は野党の専横と国政危機状況を国民に知らせ訴えるためにこの事件の戒厳を宣布したと主張するところ、これは本来そのような目的で行使できない戒厳宣布権を与小野大の政治状況を打開するための手段として利用したということに他ならない。また、被請求人は戒厳の形式を整えるために実際に執行する意思がないにもかかわらず、この事件の布告令を発令させたと主張するが、これは対外的拘束力のある法規命令としての効力を持つ規範を発令しながら、その内容どおりの効力発生は意図しないこともありうるということであり納得し難い。 ひいて、被請求人は非常戒厳が宣布されたため、普段はできなかった「選管に対する令状なしの押収·捜索」などを試みたと主張するが、そのような措置は非常戒厳の下でも許されないものである。
最も慎重に行使されるべき権限の一つである国家緊急権の行使において被請求人が上記のような態度を見せた点を考慮すると、もし被請求人が大統領としての権限を再び行使することになれば、国民としては被請求人が憲法上の権限を行使する度に憲法が規定したものとは異なる隠れた目的があるのではないか、憲法と法律を違反したのではないか、などを絶えず疑わざるを得ないだろう。そうなれば、被請求人の権限行使に対する不信は次第に積もり、これは国政運営はもとより、社会全体に深刻な混乱を招くことになるだろう。
(3) 小結
以上のような事情を総合してみると、請求人の残りの主張に対して一歩進んで調べなくても、被請求人のこの事件の憲法と法律違反行為は国民の信任を裏切った行為であり、憲法守護の観点から容認できない重大な法違反行為に該当する。 被請求人の法違反行為が憲法秩序に及ぼした否定的影響と波及効果が重大なので、国民から直接民主的正当性を与えられた被請求人を罷免することによって得られる憲法守護の利益が大統領罷免に伴う国家的損失を圧倒するほど大きいと認められる。
11. 結論
A. 大韓民国は民主共和国である(憲法第1条第1項)。
我が国の憲法が大統領に与えた様々な権限の中でも「国家緊急権」は、先に述べたように、通常の憲法秩序だけでは対処できない重大な危機状況に備え、極めて例外的に認められる非常的権限であるため、その行使において憲法的限界が特に厳格に遵守される必要がある(憲法裁2015.3.26. 2014憲ガ5参照)。 ところが被請求人は野党の専横と国政危機状況を国民に知らせ訴えるためにこの事件の戒厳を宣布したと主張するところ、これは本来そのような目的で行使できない戒厳宣布権を与小野大の政治状況を打開するための手段として利用したということに他ならない。また、被請求人は戒厳の形式を整えるために実際に執行する意思がないにもかかわらず、この事件の布告令を発令させたと主張するが、これは対外的拘束力のある法規命令としての効力を持つ規範を発令しながら、その内容どおりの効力発生は意図しないこともありうるということであり納得し難い。 ひいて、被請求人は非常戒厳が宣布されたため、普段はできなかった「選管に対する令状なしの押収·捜索」などを試みたと主張するが、そのような措置は非常戒厳の下でも許されないものである。
最も慎重に行使されるべき権限の一つである国家緊急権の行使において被請求人が上記のような態度を見せた点を考慮すると、もし被請求人が大統領としての権限を再び行使することになれば、国民としては被請求人が憲法上の権限を行使する度に憲法が規定したものとは異なる隠れた目的があるのではないか、憲法と法律を違反したのではないか、などを絶えず疑わざるを得ないだろう。そうなれば、被請求人の権限行使に対する不信は次第に積もり、これは国政運営はもとより、社会全体に深刻な混乱を招くことになるだろう。
(3) 小結
以上のような事情を総合してみると、請求人の残りの主張に対して一歩進んで調べなくても、被請求人のこの事件の憲法と法律違反行為は国民の信任を裏切った行為であり、憲法守護の観点から容認できない重大な法違反行為に該当する。 被請求人の法違反行為が憲法秩序に及ぼした否定的影響と波及効果が重大なので、国民から直接民主的正当性を与えられた被請求人を罷免することによって得られる憲法守護の利益が大統領罷免に伴う国家的損失を圧倒するほど大きいと認められる。
11. 結論
A. 大韓民国は民主共和国である(憲法第1条第1項)。
民主主義は、個人の自律的理性を信頼し、全ての政治的見解がそれぞれ相対的真理性と合理性を有すると前提する多元的な世界観に立脚したものであり、対等な同僚市民間の尊重と博愛に基づいた自律的で協力的な公的意思決定を本質とする(憲法裁2014.12.19. 2013憲ダ1参照)。
被請求人が就任して以来、国会の多数議席を占めた野党が一方的に国会の権限を行使することが繰り返され、これは被請求人を首班とする政府と国会との間に相当な摩擦をもたらした。 被請求人が大統領に就任し、この事件の戒厳を宣布するまで2年7ヵ月も経たない間に、22件の弾劾訴追案が発議された。野党が主導した異例的に多くの弾劾訴追により、複数の高位公職者の権限行使が弾劾審判中に停止された。国会の予算案審査も過去には減額があればその範囲で増額に対しても審査し反映されてきたが、憲政史上初めて国会予算決算特別委員会で野党単独で増額なしに減額に対してのみ議決をした。特に国会予算決算特別委員会は、大統領秘書室、国家安保室、警察庁の特殊活動費、検察と監査院の特殊活動費および特定業務経費予算の全額をそれぞれ減額する議決をしたが、この中には検察の国民生活侵害犯罪捜査、社会的弱者対象犯罪捜査、麻薬捜査、社会公正性阻害事犯捜査、公共捜査など捜査支援関連予算が含まれていた。被請求人が樹立した主要政策は野党の反対で施行できず、野党は政府が反対する法律案を一方的に通過させ被請求人の再議要求と再議で否決された法律案の再発議および議決が繰り返される状況が発生した。その過程で被請求人は、行政府の首班であり国家元首として野党の専横で国政が麻痺し、国益が著しく阻害されていると認識し、これを何とか打開しなければならないという重大な責任感を感じるようになったものと見られる。この事件の戒厳宣布及びそれに伴う措置は、国政の最高責任者として被請求人が持つようになったこのような認識と責任感に基づいたものと理解できる。
被請求人が野党が中心となった国会の権限行使について、権力の乱用や国政麻痺を招く行為だと判断したことは、それが客観的な現実に合致するかどうか、国民多数の支持を受けているかどうかは別として、政治的に尊重されなければならない。
被請求人が就任して以来、国会の多数議席を占めた野党が一方的に国会の権限を行使することが繰り返され、これは被請求人を首班とする政府と国会との間に相当な摩擦をもたらした。 被請求人が大統領に就任し、この事件の戒厳を宣布するまで2年7ヵ月も経たない間に、22件の弾劾訴追案が発議された。野党が主導した異例的に多くの弾劾訴追により、複数の高位公職者の権限行使が弾劾審判中に停止された。国会の予算案審査も過去には減額があればその範囲で増額に対しても審査し反映されてきたが、憲政史上初めて国会予算決算特別委員会で野党単独で増額なしに減額に対してのみ議決をした。特に国会予算決算特別委員会は、大統領秘書室、国家安保室、警察庁の特殊活動費、検察と監査院の特殊活動費および特定業務経費予算の全額をそれぞれ減額する議決をしたが、この中には検察の国民生活侵害犯罪捜査、社会的弱者対象犯罪捜査、麻薬捜査、社会公正性阻害事犯捜査、公共捜査など捜査支援関連予算が含まれていた。被請求人が樹立した主要政策は野党の反対で施行できず、野党は政府が反対する法律案を一方的に通過させ被請求人の再議要求と再議で否決された法律案の再発議および議決が繰り返される状況が発生した。その過程で被請求人は、行政府の首班であり国家元首として野党の専横で国政が麻痺し、国益が著しく阻害されていると認識し、これを何とか打開しなければならないという重大な責任感を感じるようになったものと見られる。この事件の戒厳宣布及びそれに伴う措置は、国政の最高責任者として被請求人が持つようになったこのような認識と責任感に基づいたものと理解できる。
被請求人が野党が中心となった国会の権限行使について、権力の乱用や国政麻痺を招く行為だと判断したことは、それが客観的な現実に合致するかどうか、国民多数の支持を受けているかどうかは別として、政治的に尊重されなければならない。
但し、被請求人ないし政府と国会間のこのような対立は一方の責任に属するとは見難く、これは民主主義原理により調律・解消されるべきの政治の問題である。これに関する政治的見解の表明や公的な意思決定は、あくまでも憲法上に保障される民主主義の本質と調和する範囲で行われなければならない。
B. 被請求人は野党が多数議席を占めた第22代国会との対立状況を兵力を動員して打開するためにこの事件の戒厳を宣布した。
民主国家の国民各自は、お互いを共同体の対等な同僚として尊重し、自分の意見が正しいと信じるだけに、他人の意見にも同等の価値が与えられることを認めなければならない(憲法裁2014.12.19. 2013憲ダ1参照)。国会は党派の利益ではなく、国民全体の利益の為にするべきであるという点で少数意見を尊重し、政府との関係でも寛容と自制を前提にした対話と妥協を通じて結論を導き出すよう努力するべきであった。被請求人も国民の代表である国会を、憲法が定めた権限配分秩序による協治の対象として尊重すべきであった。にもかかわらず、被請求人は国会を排除の対象にしたが、これは民主政治の前提を崩すことで、民主主義と調和するとは考え難い。
C. 我が国の憲法は基本的人権の保障、国家権力の憲法及び法律覊束、権力分立の原則、複数政党制度など国家権力や多数の政治的横暴を正して民主主義を保護する自浄装置を設けているため、被請求人としては野党が中心となった国会の権限行使が多数の横暴だと判断したとしても、憲法が予定した自救策を通じてけん制と均衡が実現できるようにすべきだった。
我が国の憲法は、大統領制で大統領の権力乱用を憂慮し、大統領の国会解散権を規定していない。 しかし、大統領と国会議員の任期の差などで、大統領選挙と国会議員選挙が一定の間隔を置いて行われることにより、大統領としては任期中に国会を新たに構成する、すなわち国会解散と同様の効果を上げる機会を持つ場合がある。 被請求人の場合も、自身の就任から約2年後に行われた第22代国会議員選挙でそのような機会を持った。被請求人には、野党の専横を正し、被請求人が国政を主導して責任政治を実現できるよう国民を説得する2年に近い時間があった。 その結果が被請求人の意図に符合せず、被請求人が感じる危機意識や責任感ないし圧迫感が重大だったとして、憲法が予定した経路を外れて野党や野党を支持した国民の意思を排除しようとする試みをしてはならなかった。被請求人は選挙を通じて現われた国民の意思を謙虚に受け入れ、より積極的な対話と妥協に乗り出すことで、憲法が予定した権力分立の原則に従うことができた。 現行の権力構造がけん制と均衡、ガバナンスを実現するには十分でなく、国会の反対によって国家安危に関する重要政策を実現できず、選挙制度や管理に透きがあると判断したならば、憲法改正案を発議し(憲法第128条)、又は国家安危に関する重要政策を国民投票に付し(憲法第72条)、又は政府を通じて法律案を提出するなど(憲法第52条)、権力構造や制度改善を説得することができた。たとえ、野党の目的や活動が我が社会の民主的基本秩序に対して実質的な害悪を及ぼす可能性のある具体的な危険性をもたらすに至ったと判断したとしても、政府の批判者として野党の存立と活動を特別に保障しようとする憲法制定者の規範的意志を遵守する範囲で(憲法裁2014.12.19. 2013憲ダ1参照)憲法裁判所に政党の解散を提訴するかどうかを検討することができた(憲法第8条第4項)。
しかし、被請求人は憲法と法律が定めた戒厳宣布の実体的要件が満たされなかったにもかかわらず、手続きを遵守しないまま戒厳を宣布することで不当に軍警を動員して国会など憲法機関の権限を毀損し、政党活動の自由と国民の基本的人権を広範囲に侵害した。これは国家権力の憲法と法律への覊束を違反しただけでなく、基本的人権の保障、権力分立の原則と複数政党制度など我が国の憲法が設計した民主主義の自浄装置全般を威嚇する結果を招いた。 被請求人がこの事件の戒厳の目的だと主張する「野党の専横に関する国民向け訴え」や「国家正常化」の意図が真実だとしても、結果的に民主主義に計り知れない害悪を加えたと見るほかはない。
D. 民主主義は、自浄装置が正常に機能し、それに関する制度的信頼が存在する限り、葛藤と緊張を克服し、最善の対応策を見つけるのに優れた適応力を備えた政治体制である。被請求人は、現在の政治状況が深刻な国益毀損を発生させていると判断したとしても、憲法と法律が予定した民主的手続きと方法によってそれに対抗すべきだった。しかし、被請求人は国家緊急権乱用の歴史を再現して国民を衝撃に陥れ、社会·経済·政治·外交の全分野に混乱を引き起こした。国民皆の大統領として、自らを支持する国民の範囲を超えて国民全体に対して奉仕することにより、社会共同体を統合させるべき責務を違反した。
憲法と法律に違反し、憲法守護の責務を放棄し、民主共和国の主権者である大韓国民の信任を重大に裏切った。
したがって、被請求人を大統領職から罷免する。この決定は裁判官全員の一致した意見によるものであり、下の12.裁判官李美善、裁判官金炯枓の補足意見、13.裁判官金福馨、裁判官趙漢暢の補充意見および14.裁判官鄭亨植の補足意見がある。
B. 被請求人は野党が多数議席を占めた第22代国会との対立状況を兵力を動員して打開するためにこの事件の戒厳を宣布した。
民主国家の国民各自は、お互いを共同体の対等な同僚として尊重し、自分の意見が正しいと信じるだけに、他人の意見にも同等の価値が与えられることを認めなければならない(憲法裁2014.12.19. 2013憲ダ1参照)。国会は党派の利益ではなく、国民全体の利益の為にするべきであるという点で少数意見を尊重し、政府との関係でも寛容と自制を前提にした対話と妥協を通じて結論を導き出すよう努力するべきであった。被請求人も国民の代表である国会を、憲法が定めた権限配分秩序による協治の対象として尊重すべきであった。にもかかわらず、被請求人は国会を排除の対象にしたが、これは民主政治の前提を崩すことで、民主主義と調和するとは考え難い。
C. 我が国の憲法は基本的人権の保障、国家権力の憲法及び法律覊束、権力分立の原則、複数政党制度など国家権力や多数の政治的横暴を正して民主主義を保護する自浄装置を設けているため、被請求人としては野党が中心となった国会の権限行使が多数の横暴だと判断したとしても、憲法が予定した自救策を通じてけん制と均衡が実現できるようにすべきだった。
我が国の憲法は、大統領制で大統領の権力乱用を憂慮し、大統領の国会解散権を規定していない。 しかし、大統領と国会議員の任期の差などで、大統領選挙と国会議員選挙が一定の間隔を置いて行われることにより、大統領としては任期中に国会を新たに構成する、すなわち国会解散と同様の効果を上げる機会を持つ場合がある。 被請求人の場合も、自身の就任から約2年後に行われた第22代国会議員選挙でそのような機会を持った。被請求人には、野党の専横を正し、被請求人が国政を主導して責任政治を実現できるよう国民を説得する2年に近い時間があった。 その結果が被請求人の意図に符合せず、被請求人が感じる危機意識や責任感ないし圧迫感が重大だったとして、憲法が予定した経路を外れて野党や野党を支持した国民の意思を排除しようとする試みをしてはならなかった。被請求人は選挙を通じて現われた国民の意思を謙虚に受け入れ、より積極的な対話と妥協に乗り出すことで、憲法が予定した権力分立の原則に従うことができた。 現行の権力構造がけん制と均衡、ガバナンスを実現するには十分でなく、国会の反対によって国家安危に関する重要政策を実現できず、選挙制度や管理に透きがあると判断したならば、憲法改正案を発議し(憲法第128条)、又は国家安危に関する重要政策を国民投票に付し(憲法第72条)、又は政府を通じて法律案を提出するなど(憲法第52条)、権力構造や制度改善を説得することができた。たとえ、野党の目的や活動が我が社会の民主的基本秩序に対して実質的な害悪を及ぼす可能性のある具体的な危険性をもたらすに至ったと判断したとしても、政府の批判者として野党の存立と活動を特別に保障しようとする憲法制定者の規範的意志を遵守する範囲で(憲法裁2014.12.19. 2013憲ダ1参照)憲法裁判所に政党の解散を提訴するかどうかを検討することができた(憲法第8条第4項)。
しかし、被請求人は憲法と法律が定めた戒厳宣布の実体的要件が満たされなかったにもかかわらず、手続きを遵守しないまま戒厳を宣布することで不当に軍警を動員して国会など憲法機関の権限を毀損し、政党活動の自由と国民の基本的人権を広範囲に侵害した。これは国家権力の憲法と法律への覊束を違反しただけでなく、基本的人権の保障、権力分立の原則と複数政党制度など我が国の憲法が設計した民主主義の自浄装置全般を威嚇する結果を招いた。 被請求人がこの事件の戒厳の目的だと主張する「野党の専横に関する国民向け訴え」や「国家正常化」の意図が真実だとしても、結果的に民主主義に計り知れない害悪を加えたと見るほかはない。
D. 民主主義は、自浄装置が正常に機能し、それに関する制度的信頼が存在する限り、葛藤と緊張を克服し、最善の対応策を見つけるのに優れた適応力を備えた政治体制である。被請求人は、現在の政治状況が深刻な国益毀損を発生させていると判断したとしても、憲法と法律が予定した民主的手続きと方法によってそれに対抗すべきだった。しかし、被請求人は国家緊急権乱用の歴史を再現して国民を衝撃に陥れ、社会·経済·政治·外交の全分野に混乱を引き起こした。国民皆の大統領として、自らを支持する国民の範囲を超えて国民全体に対して奉仕することにより、社会共同体を統合させるべき責務を違反した。
憲法と法律に違反し、憲法守護の責務を放棄し、民主共和国の主権者である大韓国民の信任を重大に裏切った。
したがって、被請求人を大統領職から罷免する。この決定は裁判官全員の一致した意見によるものであり、下の12.裁判官李美善、裁判官金炯枓の補足意見、13.裁判官金福馨、裁判官趙漢暢の補充意見および14.裁判官鄭亨植の補足意見がある。
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*本文にある憲法裁判所の事件番号は、申請年度+憲+事件タイプ+同じタイプの中で、同年の受付順番です。タイプは、ガ=違憲法律審判、ナ=弾劾審判、ダ=政党解散審判、ラ=権限争議審判、マ=一般人が申請した権利救済型憲法訴願審判、バ=法院に違憲法律審判の提請申請をしたが受け入れられなかった場合、これを直接憲法裁に申請した違憲審査型憲法訴願審判、サ=効力停止仮処分及び国選代理人選任申請、ア=再審です。弾劾・政党解散・権限争議審判の決定は請求を受け入れる「引用」、受け入れない「棄却」、請求の適法要件が満たされていない場合に言い渡す「却下」の三つであり、違憲法律・憲法訴願審判の決定は引用の場合、法律の効力が審判即時に喪失される「単純違憲」、法律そのものには問題がないが、特定方式の解釈は違憲だという「限定違憲」、そして違憲ではあるが立法者の形成権を尊重し、設定した改善立法時限まで法律を形式的に存続させる「憲法不合致」があります。棄却は「合憲」です。憲法裁判所は「容疑は認められるが公訴を提起しない」という、有罪趣旨の起訴猶予処分の取り消しを審判する役割も担い、これは「権利救済型憲法訴願審判(マ)」として扱われます。
この中で「権限争議審判」は、国家機関及び地方自治体間の権限の存否又は範囲に関して紛争があるとき、憲法裁判所がこれを有権的に審判するもので、被請求人の処分又は不作為が請求人の憲法・法律上権限を侵害し、又は侵害する危険が顕著に存在する場合に請求することができます(憲法裁ホームページより)。弾劾・政党解散審判と同じく、その引用には裁判官6人以上の賛成が必要です。最高司法機関である憲法裁の決定に対する再審は原則的には許されませんが、通常の裁判の再審と同様に重大な誤りや判断の遺脱に対しては、極めて制限的に再審が許されます。
憲法裁の代表的な決定では、
ガ(違憲法律審判)ー 95憲ガ6(姓氏と本貫が同じ男女間の婚姻を禁止する民法第809条第1項ー憲法不合致)、2001憲ガ9(戸主制度を規定した民法第781条第1項後段ー憲法不合致)、2003憲ガ5外(子供が出生時に父親の姓氏のみ使えるようにした民法第781条第1項前段ー憲法不合致)、2008憲ガ23(死刑を規定した刑法第41条ー合憲)、2013憲ガ20(国家冒涜罪を規定した旧刑法第104条の2ー違憲)
ナ(弾劾審判)ー 2004憲ナ1(盧武鉉大統領弾劾審判ー棄却(職務復帰))、2016憲ナ1(朴槿恵大統領弾劾審判ー引用(罷免))、2024憲ナ8(尹錫悦大統領弾劾審判ー引用(罷免))
ダ(政党解散審判)ー 2013憲ダ1(統合進歩党解散審判ー引用(解散))
ラ(権限争議審判)ー 96憲ラ2(祝日の午前4時に野党議員に対する通知なしに、本会議場ではなく別の会議場で法律を議決したことに対して国会議員が国会議長を相手に提起ー引用)、2022憲ラ4(検察の捜査権を相当部分剥奪する法律に対し、法務部長官と検事たちが国会を相手に提起ー却下)、2025憲ラ1(国会で選出した憲法裁判官候補者を大統領(権限代行)が任命しなかったことに対して国会が大統領(権限代行)を相手に提起ー引用)
マ(権利救済型憲法訴願審判)ー 2003憲マ457(公共の場での喫煙を禁止する国民健康増進法施行規則第7条ー合憲)、2004憲マ554(忠清圏に新しい行政首都を建設する新行政首都の建設のための特別措置法ー違憲)、2012憲マ431外(国会議員選挙で得票率2%未満の政党の登録取り消し及びその党名の再使用を禁止する政党法第41条第4項ー違憲)、2022憲マ356(妊娠32週目以前に胎児の性別告知を禁止する医療法第20条第2項ー違憲)
バ(違憲審査型憲法訴願審判)ー 2009憲バ17外(姦通罪を規定した刑法第241条ー違憲)、2010憲バ70外(維新憲法下の緊急措置第1・2・9号ー違憲)、2011憲バ379外(非軍事的代替服務を兵役として認めない兵役法第5条第1項ー憲法不合致)、2017憲バ127(妊娠中絶を禁止する医療法第269条第1項及び第270条第1項ー憲法不合致)、2020憲バ341(親族間の経済犯罪を処罰しない「親族相盗例」を規定した刑法第328条第1項ー憲法不合致)
サ(効力停止仮処分及び国選代理人選任申請)ー 2025憲サ399(本案事件は2025憲マ397(大統領権限代行の憲法裁判官任命権行使の違憲確認)、大統領権限代行の憲法裁判官候補者指名行為に対し、その効力の停止を求める仮処分ー引用)
大韓民国憲法
第1条 第1項 大韓民国は民主共和国である。
第1条 第2項 大韓民国の主権は国民にあり、すべての権力は、国民から生じる。
第5条 第2項 国軍は、国家の安全保障及び国土防衛の神聖な義務を遂行することを使命とし、その政治的中立性は、これを遵守する。
第8条 第4項 政党の目的又は活動が民主的基本秩序に違背するときは、政府は、憲法裁判所にその解散を提訴することができ、政党は、憲法裁判所の審判により、これを解散する。
第10条 すべて国民は、人間としての尊厳及び価値を有し、幸福を追求する権利を有する。国家は、個人が有する不可侵の基本的人権を確認し、これを保障する義務を負う。
第40条 立法権は、国会に属する。
第41条 第1項 国会は、国民の普通・平等・直接・秘密選挙により選出された国会議員で構成する。
第52条 国会議員及び政府は、法律案を提出することができる。
第66条 第1項 大統領は、国家の元首であり、外国に対して国家を代表する。
第66条 第4項 行政権は、大統領を首班とする政府に属する。
第67条 第1項 大統領は、国民の普通・平等・直接・秘密選挙により選出する。
第72条 大統領は、必要と認めるときは、外交・国防・統一その他国家安危に関する重要政策を国民投票に付することができる。
第77条 第5項 国会が在籍議員の過半数の賛成により、戒厳の解除を要求したときは、大統領は、これを解除しなければならない。
第114条 第1項 選挙及び国民投票の公正な管理及び政党に関する事務を処理するため、選挙管理委員会を置く。
第114条 第2項 中央選挙管理委員会は、大統領が任命する3人、国会から選出する3人及び大法院長の指名する3人の委員で構成する。委員長は、委員の中から互選する。
第114条 第3項 委員の任期は、6年とする。
第114条 第4項 委員は、政党に加入し、又は政治に関与することができない。
第114条 第5項 委員は、弾劾又は禁錮以上の刑の宣告によらなければ、罷免されない。
第114条 第6項 中央選挙管理委員会は、法令の範囲内において選挙管理・国民投票管理又は政党事務に関する規則を制定することができ、法律に抵触しない範囲内において内部規律に関する規則を制定することができる。
第114条 第7項 各級選挙管理委員会の組織・職務範囲その他必要な事項は、法律で定める。
第115条 第1項 各級選挙管理委員会は、選挙人名簿の作成等選挙事務及び国民投票事務に関して関係行政機関に必要な指示をすることができる。
第115条 第2項 第1項の指示を受けた当該行政機関は、これに応じなければならない。
第128条 第1項 憲法改正は、国会在籍議員過半数又は大統領の発議により提案される。
第128条 第2項 大統領の任期延長又は重任変更のための憲法改正は、その憲法改正提案当時の大統領に対しては、効力を有しない。
大韓民国憲法第8号(維新憲法・第4共和国)
第53条 第1項 大統領は、天災・地変又は重大な財政・経済上の危機において、又は国家の安全保障又は公共の安寧秩序が重大な脅威を受け、若しくは受ける恐れがあり、迅速の措置を行う必要があると判断したときは、内政・外交・国防・経済・財政・司法等国政全般にわたり必要な緊急措置を行うことができる。
第53条 第2項 大統領は、第1項の場合において、必要と認めるときは、この憲法に規定されている国民の自由及び権利を暫定的に停止する緊急措置を行ふことができ、政府又は裁判所の権限に関して緊急措置を行うことができる。
第53条 第3項 第1項及び第2項の緊急措置を行ったときは、大統領は、遅滞なく国会に通告しなければならない。
第53条 第4項 第1項及び第2項の緊急措置は、司法的審査の対象とならない。
第53条 第5項 緊急措置の原因が消滅したときは、大統領は、遅滞なくこれを解除しなければならない。
第53条 第6項 国会は、在籍議員の過半数の賛成をもって緊急措置の解除を大統領に建議することができ、大統領は、特別の事由がない限り、これに応じなければならない。
大韓民国憲法第9号(第5共和国)
第51条 第1項 大統領は、天災・地変又は重大な財政・経済上の危機において、又は国家の安全を脅かす交戦状態若しくはそれに準ずる重大な非常状態において、国家を保衛するために急速の措置を行ふ必要があると判断したときは、内政・外交・国防・経済・財政・司法等国政全般にわたり、必要な非常措置を行うことができる。
第51条 第2項 大統領は、第1項の場合において、必要と認めるときは、憲法に規定されている国民の自由及び権利を暫定的に停止することができ、政府又は裁判所の権限に関して特別の措置を取ることができる。
第51条 第3項 第1項及び第2項の措置を行ったときは、大統領は、遅滞なく国会に通告して承認を得なければならず、承認を受けることができなかったときは、そのときからその措置は、効力を喪失する。
第51条 第4項 第1項及び第2項の措置は、その目的を達成しうる最短期間内に限定されなければならず、その原因が消滅したときは、大統領は、遅滞なくこれを解除しなければならない。
第51条 第5項 国会が在籍議員の過半数の賛成をもって非常措置の解除を要求したときは、大統領は、これを解除しなければならない。
憲法裁判所法
第53条 第1項 弾劾審判請求が理由のある場合、憲法裁判所は被請求人を該当公職から罷免する決定を宣告する。
釜馬民主抗争関連者の名誉回復及び補償などに関する法律
第2条 この法律で使用する用語の意味は次の通りである。
第2条 第1号 「釜馬民主抗争」とは、1979年10月16日から10月20日までを前後して釜山・馬山及び昌原など慶尚南道一帯で、維新体制に対抗して発生した民主化運動を言う。
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